ストレスは本当は体によいものだった
こんにちは。ヘルスコーチ デイビスみなこです。
今日はタイトルの通り「ストレスは実は私たち人間にとって良いものだ」というお話をさせてください。
動画で観たい方はこちらをご覧ください↓
普通は「ストレスが体に悪い」というのが、誰もが知っている常識であり、私自身もそのようにクライアントにお伝えしてきました。
しかし、健康心理学者ケリー・マクゴニガルさんの「How to make stress your friend. (ストレスと友達になる方法)」という2013年のTEDの動画を観て、考え方が変わったのでシェアさせてください。
彼女のスピーチで、アメリカの成人3万人を対象に行われた、あるリサーチの話が持ち出されます。
そのリサーチでは、対象者に「この1年間でどれくらいのストレスを感じたか?」「ストレスは健康に悪いと思うか?」という2つの質問をして、8年間追跡調査し、その3万人のうち誰が亡くなったか調べました。
その結果、死亡リスクが高まったのは、強いストレスを受けていた人の中でも、「ストレスは健康に悪い」と考えていた人たちだけだったとわかったのです。
これはとても興味深いデータです。
実際にこの調査結果がどれほど正確なものなのか、というのは分かりません。
しかし、この事実を信じることで、わたしたちはストレスともっとうまく付き合っていくことができ、今よりずっと楽に人生を生きられるようになると、私は思うのです。
ストレスがパフォーマンスを向上する
ストレスを感じる例として、大人数の前で話さなければいけないなど「緊張するとき」というのがあります。
胸がドキドキして、手に汗をかき、顔がひきつったりしますね。
これはストレスの要因に立ち向かうため、アドレナリンが分泌されるため。
アドレナリンが分泌されると、体内では心拍数が上がり、より多くの酸素を供給できるように血流が促進され、また周囲がよく見えるように瞳孔が開くなどの変化があります。
これは昔、人間が外敵から襲われ、生命の危機を感じるような状態下でも必要だった体の反応です。
つまり、ここぞというときにいつも以上の力が出るような仕組みになっているのです。
「緊張で胸がバクバクするのは、最高のパフォーマンスを発揮できるよう体が準備している証拠である」
そう信じるだけで、次に大人数の前で話すようなときに、随分とうまく緊張に対処できるのではないでしょうか。
ストレスが人を繋げる
緊張以外のストレスでは、人間関係や仕事の悩みのような心理的なストレスというものがあります。
友人とギクシャクしたり、職場に嫌な上司がいたり、または育児のイライラなど、心のストレスはじんわりと心を蝕み、本当に辛いですよね。
しかし、ケリーさんは「ストレスは人を社交的にする」とも言っています。
なんでも、人はストレスを感じると、オキシトシンが分泌され、誰かに支えてもらいたいと思うらしいのです。
これは意外ですが、考えてみると納得です。
辛いことがあったときに、誰かに悩みや愚痴を聞いてもらいたくなるというのは多くの方が共感できるのではないでしょうか。
もしかしたら、「私は辛い時も人に話すことができず自分の中で溜めこんでしまいます」という方がこの記事を読んでくださっている中にもいるかもしれません。
そんな方は、これも知っておいてください。
同じくアメリカの調査で、家族や知人をサポートするために時間を費やした人々には、ストレスからくる死亡率の増加が一切検証できなかったというデータがあります。
そこから分かったのは、「人は、他者を助けることによって、自分自身もストレスにうまく対処できるようになる」ということ。
つまり、あなたが誰かに悩みを打ち明けることによって、相手のメリットにもなるということなのです。
ストレスは人を成長させる
このようにストレスは、人間のパフォーマンスを高めたり、他者との絆を強めたりすることで、私たちに良い結果をもたらしてくれます。
また、ストレスを感じるということは、反対からみれば、私たちは成長する伸び代があるということ。
困難を乗り越え、一段上にいける自分になるためのチャレンジを受けているということなのです。
もちろん辛いことなんて、できれば無い方が嬉しいです。
でも、ストレスを感じるような状況下になったとき、今日の話を思い出してみてください。
それだけで、気持ちが少し楽になるような気がしませんか?
今度ストレスを感じた時は、「ストレスは体に悪い」と思っても、要因をすぐに解決することは難しいので、
代わりに「このストレスが自分の味方になってくれている」と意識を変えてみてください。
それで少しでも気持ちが楽になれば幸いです。