「行動変容ステージ」とは?図解でわかりやすく説明
ヘルスコーチングでは、クライアントが運動や食生活などの生活習慣を変える際に「行動変容ステージモデル」というものを参考にします。
「行動変容ステージモデル」とは、人が習慣を変える際に5つの段階を経ていくという考え方のもので、1980年代前半に禁煙の研究から導かれました。
クライアントがどのステージにいるかにより、取るべき対応が異なるのです。
この行動変容ステージモデルを知ると、あなたが今どの状況にいるか客観視することができ、飽きたり挫折することを回避しながら、行動を促すことができます。
行動変容ステージモデルの5段階
行動変容ステージモデルには、無関心期、関心期、準備期、実行期、維持期の5段階があり、人はここを数年かけて行ったり来たりすると考えられています。
無関心期にいるクライアントに準備期の対応をとっても、効果がないどころか反抗心を生んでしまうなど、逆効果になってしまうこともあるので、コーチはこの5段階をよく理解することが大切です。
無関心期の特徴と対応
無関心期:6ヶ月以内に行動を変えようと思っていない
このステージにいるクライアントは、このような特徴があります。
- そもそも変わろうと思っていない
- または改善すべき問題があると気づいてるが、変化を起こすのがとても難しいと思ってる
- 周囲の人からのアドバイスを疎ましく思う
この人たちは、以下のような経験があると「習慣を変えたほうが良さそう」と考え、行動を起こすことに関心を持ち始めます。
- 習慣を変えることにより得られるメリットを知る
- 感情的経験を得る
- 「このままではまずい」と思う
- 周りへの影響を考える
関心期の特徴と対応
関心期:6ヶ月以内に行動を変えようと思っている
- 現状に問題を感じている
- 変化を起こすメリットを理解しているが、同時に抵抗もあり葛藤状態
- どうやって習慣を変えていいかわからない
このステージにいる人たちは、以下のような経験があると「自分でもできそう」と考え、行動を起こすことへ関心を示します。
- 自分でもできるという成功体験を思い出す
- 達成可能な目標を立てる
- 強みと価値観を生かす
- ゴールと目的を明確にする
- 障害を想定し対策を要しておく
準備期の特徴と対応
準備期:1ヶ月以内に行動を変えようと思っている
- 近いうちに行動を起こそうとやる気に満ちている。
- 障害も対策も想定していて、乗り越えられると自信がある。
- 計画がうまくいかなかった場合は、関心期に戻ってしまう可能性がある
準備期にいる人が、行動を起こして次のステージに行くためには以下のような対策が効果的です。
- 具体的で実現可能なアクションステップを作る
- 障害、葛藤、失敗などが起きたら、回避できる道のりを探す
実行期の特徴と対応
実行期:行動を変えて6ヶ月未満
- やる気を維持しており、さらに1つか2つ新しいチャレンジをすることに関心がある
- ふとしたきっかけで行動を辞めてしまい、準備期に戻ってしまうことも多い
実行期にいる人が行動を継続するには以下のような対策が効果的です。
- 強みを活かして、継続を意識する
- 仲間とつながる
- 障害に対しいろんな角度からの戦略を用意しておく
- 失敗も想定内にいれ、そこから学ぶ
- 低すぎず高すぎない適切なゴール設定が必要
維持期の特徴と対応
維持期:行動を変えて6ヶ月以上
- 新しい行動が習慣として定着し、意識しなくてもできる
- 自分自身についての発見や気づきがある
- 障害や、飽き、やる気低下が起こり得る
維持期にいる人が、逆戻りすることなく、さらなる挑戦をするには以下のような対策が効果的です。
- 関連したテーマで新たなゴールを設定し、モチベーションを高める
- 自分自身が他人のロールモデルになる
まとめ
以上が行動変容ステージモデルの概要です。
あなた今、どのステージにいますか?
この考え方を理解することで、起こすべき行動がわかり、行動を継続しやすくなります。
ぜひご参考にしてください。