あなたは知ってる?日本では意外と知られてない超重要コーチングテクニック
こんにちは。デイビスみなこです。
コーチングとのテクニックといえば質問。
質問でクライアントの中の答えを導き出すのがコーチングの主なコミュニケーション方法です。
でもコーチングには、質問と同じくらい大切なテクニックがあるのです。
それは…、リフレクションです。
今日はリフレクションのメリットとやり方を共有しますね。
知っているだけで、ぐんとコーチングのテクニックが上がりますのでぜひ最後までお読みください!
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リフレクションとは
アメリカのコーチ養成学校「ウェルコーチズ」創設者のマーガレット・ムーアらが出版した「Coaching Psychology Manual」にでは、コーチングに大切なコア・スキルは、1)マインドフル・リスニング、2)オープン・エンドクエスチョン、そして3)リフレクションの3つだと説明しています。
リフレクション(Reflection)は「反射」という意味で、クライアントが発した言葉を、コーチの口から返してあげるコミュニケーション・テクニックのことを指します。
それにより、クライアントは鏡を見てるかのように自分自身を見つめることができるというものです。
このようにコーチングで"Reflection"といえば、アメリカではこのテクニックのことを指すのが一般的です。
(ちなみに日本語で「リフレクション コーチング」と検索してみたところ、「内省」と訳されていて、コミュニケーションテクニックではなく、「自分の行動や感情などを振り返る作業」といった意味で使われているようです。)
リフレクションが会話中でどう使われるかイメージしやすいように、一番簡単なシンプル・リフレクションの例を2つ挙げますね。
シンプル・リフレクション例1
クライアント:「鏡を見るたび自分が嫌で、今年こそ絶対痩せたいと思っています。」
コーチ:「今年は必ず痩せたいんですね」
シンプル・リフレクション例2
クライアント:「もう我慢するのはやめて、これからは自分の好きなように生きたいと決めたんです。」
コーチ:「我慢せずに好きに生きることが、〇〇さんにとって大切なこと」
この二つの例のように、クライアントの言った言葉をそのまま、あるいは表現を少し変えて言い返すことが、基本のリフクレションです。
リフレクションには、上記のようなシンプルなもの以外に、コンプレックス型がいくつもありますが、型だけ覚えても頭が混乱するだけなので、今日は全てのリフレクションに共通するメリットと、やり方のコツに絞ってお伝えします。
リフレクションのメリット
リフレクションの主なメリットは以下の3つです。
①クライアントがより安心して話せる
質問だけで会話をすると、まるで尋問のように、クライアントにストレスを与えてしまいますが、リフレクションを挟むことで、それが緩和されます。
また、クライアントは自分の言った言葉をコーチに受け止めてもらえるように感じ、安心感を抱き、「ここではなんでも素直に話していいんだ」とコーチへの信頼が増します。
②感情を刺激するから
人は質問をされると、左脳で分析的に考えて答える習性があります。
つまりコーチングで質問をされている時も、左脳で論理的に考えてるということです。
一方、リフレクションで自分の言葉をコーチから聞くと、代わりに脳の感情を司る部分が刺激され、感情がより豊かになります。
例えば、夢に対して語っているときならワクワクが増したり、悩みについて話しているときなら苛立ちが増したりするということ。
そのように感情が揺さぶられることで、「あ、私こう思ってるんだ」「こんなに悲しいんだ」と新たな気づきがあったり、自分の中のより深い願望を認識することができます。
③強い動機を引き起こすことができるから
リフレクションをうまく使うと、クライアントのやる気を引き起こすことができます。
コーチングの会話中に、コーチは現状の課題や、それにより生じている問題、また叶えたい理想像や、実現することで得られるベネフィットなどを質問でクライアントから引き出しますよね。
自分の回答を、コーチからのリフレクションにより改めて耳にし、感情で受け止めることで、それぞれの言葉の意味がより強力になります。
すると、クライアントの中では、どうして現状を変えたいのか、どうしてゴールを達成したいのか、どうして今の課題を解決したいのか、今まで以上に強く自分の中で認識することができ、「変わりたい!」「行動したい!」とやる気を高めることができるのです。
リフレクションのやり方
リフレクションのメリットをご理解いただいたところで、やり方を説明します。
先にお伝えしたようにリフレクションの中にも、そのままそっくり復唱するシンプルなものから、多様な意味を込めるコンプレックス型など色々な種類があるのですが、難しいことは今は考えなくても大丈夫。
基本のやり方は共通しています。
それは、クライアントの言っている言葉、仕草、表情に全神経を集中させ、クライアントになったつもりでその情景を思い描き、クライアントの思いや現状を、コーチの口から発すること。
ここで大切なのは、クライアントへの愛情と共感力です。
クライアントに愛を持って、どんな思いを抱いているのか、どんな人生を生きているのか、関心を持ちイメージすることが鍵となります。
…と言ってもよく分からないと思うので、サンプル・ケースと一緒に説明しますね。
先の例に戻りましょう。
シンプル・リフレクション例1
クライアント:「鏡を見るたび自分が嫌で、今年こそ絶対痩せたいと思っています。」
コーチ:「今年は必ず痩せたいんですね」
この時、優れたコーチの頭の中では何が起こっているでしょうか?
クライアントが言った言葉を単純に繰り返しているだけではありません。
クライアントの言葉を受けて、コーチの頭の中では、今までのクライアントとの関係構築の中で知りうることができた情報をかき集め、クライアントの日常の一コマを走馬灯のように思い描いているのです。
40代に入り太ってきた彼女。
職場で若い時のように褒められることも減り、夫からもずさんに扱われ、女性としての自信を失ってきた。
買い物に行っても似合う服が見つからない。友達に会う時も、劣等感が拭えない。
今まで色んなダイエット法に投資して試してきたが、どれも続かない。
仕事で疲れて帰ってきたら、Netflixを観ながらお菓子を食べてしまう自分に罪悪感。鏡を見て自己否定の毎日。
でも春からの異動で、人前に立つことが増えるから、それまでに痩せたいと思っている。
新しい環境と新しい自分を思い描くとワクワクしている。
コーチとの個別相談で話して、その想いがより鮮やかになり、強い意志を感じている。
…なんてことを、コーチ自身が、クライアントになったつもりで思い描き、そこで出てきた感情や、思い、考えなどを現状を織り交ぜて、コーチの言葉から発したものがリフレクションなのです。
そのリフレクションの言葉は上記の例のように「今年は必ず痩せたいんですね」という単純な繰り返しでもいいですし、もっと情報を足した長いものでもいいです。
例えば「ここ数年ずっと抱えてきた悩みから、今年こそ解放されて、理想の自分になるんだ、と強い意志を持っているんですね。」
などのように、返すこともできます。これは感情を足したリフレクション法となります。
しかし繰り返しになりますが、リフレクションの技法を覚えるよりも、大切なのは「愛情と共感力」です。
コーチが愛情を持って、クライアントに耳を傾け、情景を想像して、言葉で返す、その流れを会話に織り交ぜることで、セッションの時間がもっと濃厚なものになるでしょう。
今日の記事は以上となります。
ぜひリフレクションをセッションでお試しください!
うまくいったか、うまくいかなかったか、感想や質問をLINEで教えていただけると嬉しいです。
デイビスみなこ
2020年Institute for Integrative Nutritionを卒業しヘルスコーチの資格取得後、100名以上のクライアントの心身の健康を高めるサポートをする。
昨年、ヘルス&ウェルネスコーチング最高位資格であるNBHWC(全米ヘルス・ウェルネスコーチング協会)の資格を取得。
現在NYと北海道の二拠点を軸にコーチとして活動中。公式LINE:lin.ee/YfS2pVi
ラジオ:https://stand.fm/embed/channels/64865f2d590eb774d1bc499e