ヘルスコーチングをセラピーや整体のサービスに取り入れる例
こんにちは。コーチのデイビスみなこです。
「コーチは一方的なアドバイスをすべきでない」と、よく私がSNSなどでお伝えしています。
それは一方的なアドバイスが、クライアントの成長を妨げるリスクがあるため。また、人は他人から言われたアドバイスより、自分で思いついた考えの方が行動に移しやすいという特性があるためです。
その発信を見て、セラピスト兼コーチとして活動されているクライアント様から、このようなご質問をいただきました。
整体の施術中に、普段の生活や食事、嗜好品の話を聞きながら、褒めたり、共感したり、助言、アドバイスをしたりしていました、、。
セラピスト兼コーチ 匿名
実際に、生理痛、便通、イライラか治るなど、症状が改善した方もいますが、あくまで施術側は、無の状態で、気づきを与える事に徹した方が良いんですかね?
それとも、施術者は、コーチとは、また違う立場となりますか?
今日はこちらの質問に詳しく回答していきたいと思います。
結論から言います。
気づきを与えることに徹するべきかどうかは、あなたのクライアントが何を期待してるかによります。
クライアントは手っ取り早い情報が欲しい方もいますし、心の奥底までじっくり掘り下げて物事を考えたい、と言う方もいます。
それは、あなたがどのようなクライアントを集め、どのような価値教育をクライアントにし、どのようなサービスにご契約をいただいたかによって、すべて変わってきます。
例えば、簡単な方法で2週間でウエスト−3cmしたい方にはコーチングは適していません。
コーチングは、クライアント自身の理解と努力が求められますので、コーチングを期待していない相手に、純粋なコーチングを行なっても、効果が得られない可能性があります。
このご質問者様のケースのように、整体に来られたクライアントなら、一般的に、「整体で気持ちよく健康になれることを期待している」と予想できます。
さらに施術者とのトークで、体の悩み相談や、即実践できるアドバイスが欲しいと思っているかもしれません。
クライアントが何を求めているかを知り、それに適したコミュニケーションを取ることが適切です。
まずはコーチングの基本をおさらい
コーチングは、ティーチングやコンサルティング等と並べられるコミニケーションの手法の1つです。
コーチングは、主に質問やワークなどのツールを使い、クライアントが自ら答えを選択し進んでいくサポートします。
そのプロセスの中で、もしコーチが一方的にアドバイスしてしまうと、 クライアントの自主性が損なわれ、 長期的な成長の妨げになってしまうリスクがあります。
そのためコーチングでは、アドバイスを与える前に、 クライアント自身に課題に気づいてもらったり、 解決策を模索してもらうよう、 会話を誘導します。
もちろんそこで、クライアントがコーチからのアドバイスを求めた時は、 コーチは惜しみなくアドバイスをします。
それが基本のコーチングコミニケーションの形であります。
コーチングに縛られる必要はない
前述したように、コーチングは一つのコミュニケーション技法であり、その特殊なアプローチ法から、クライアントの長期的な成長を促すために非常に効果的です。
しかし強調したいのは、これはあくまでも「コミュニケーション術の一つ」。
世の中には、ティーチング、カウンセリング、コンサルティングなど様々なコミュニケーション方法があり、あなたがどんなサービスを提供するかは、あなたの自由です。
王道のコーチングだけをするんだ!というのでもいいですし、 複数のコミュニケーション術の良いところを織り交ぜたサービスを提供する、のもいいでしょう。
例えば私は、現在コーチ養成講座で、コーチ、講師、メンター、コンサルタント、と複数の役割を兼ねています。
それは、純粋なコーチング以外にも他の役割を含めることで、今の私の価値を最大限に発揮できる商品が作れると私が思っているからです。
そのように、コーチング一つに固執するのではなく、いろいろな役割を交えることで、枠を超えたあなたらしい独自のサービスが作れます。
ただ、一コーチとして願うのは、「コーチングセッション」という名でコーチングを提供するのならば、その時間だけは、ぜひ純粋なコーチングに徹していただきたいということ。
それが世界の「コーチングへの共通認識」を崩さずに、コーチング倫理を守ることであると思うからです。
コーチングを他のサービスに取り入れる案4つ
では、セラピスト、施術者、アドバイザーなどとして活動されている方が、コーチングの良いところを既存サービスに取り入れるにはどのような方法があるでしょうか?
質問者様のケースを例に、アイディアをご紹介したいと思います。
質問者様は「整体の施術中に、普段の生活や食事、嗜好品の話を聞きながら、褒めたり、共感したり、助言、アドバイスをしたりしていました」と仰っていました。
これまでのやり方でも、もちろん良いのですが、もしプラスでコーチングコミュニケーションを取り入れるとしたら以下のような例があります。
案1)施術前に、現状のお悩みと理想の状態を質問で明確にする
どんな不調により、生活でどんな不便が生じているのか。
どうなりたいか。体調が良くなったら、どんなことがしたいか。
それを徹底的にヒアリングして共感してあげるだけで、満足度が大きくUPするでしょう。
時間が取れないなら、事前に問診票やアンケートフォームに書き出していただくのも有効です。
案2)褒めるだけはなく、行動や努力を認知する
例えば、毎日手料理を頑張っている主婦を称賛する場合「すごいですね」と言うだけでも、相手は嬉しいですが、そこにコーチングコミュニケーションで共感と認知を加えるとこうなります。
「お仕事でクタクタの後でも、家族の健康のためにお料理されてるんですね」
平凡な称賛の言葉を繰り返すと薄っぺらく聞こえてしまいがちですが、このように共感を加え、さらに相手の行動を認知する言葉をかけてあげると、より深く相手の気持ちに寄り添うことができます。
仮に、共感の的がずれたとしても「いえいえ、家族のためじゃなくて自分が美味しいもの食べたいんです 笑」なんて風に、その後の会話に繋がりやすいです。
案3)助言は2ステップを踏んでから
プロからの助言、アドバイスは有り難いものですが、すでに知っていることや、興味のないことを説明されて、気持ちが冷めてしまうという経験はないでしょうか?
それを避け、適切なアドバイスをするために、以下の2つのステップを踏むと良いです。
STEP1)知識レベルの確認をする
STEP2)助言をする許可を得る
STEP1で、まず相手がすでに何を知っているのか確認することで、無駄な説明で相手の時間を費やしてしまうことが防げます。さらに、相手の知識レベルに沿った適切な助言をすることができます。
例)クライアント=ク、施術者=施
ク:「便秘だから食べ物ちょっと変えたほうがいいのかなと思って〜」
施: 「食べ物は影響しますもんね。便秘に良い食材はどんなものか知ってますか?(知識レベルの確認)」
ク:「ヨーグルト毎日たくさん食べるようにしてます!」
ここで「ヨーグルトは便秘に良いと言われている」という共通認識を確認することができました。
さらにクライアントが、それを毎日たくさん食べているという発言から、健康に気遣っていることも分かります。
次にSTEP2で、助言が欲しいか相手に確認します。
施:「はい、ヨーグルトは確かに乳酸菌があるからいいですよね。でも〇〇さんのように冷え性の方は逆効果になる可能性があることはご存知ですか?(再び知識レベルの確認)」
ク:「え!知らないです」
施:「そうなんですよ。意外ですよね。冷え性で便秘の方におすすめの食材お伝えしても良いですか?(助言の許可を得る)」
回りくどいステップに感じますが、この一手間を加えることで、相手は「自らこの情報を求めた」と脳で覚え、抵抗感を得ずに、助言を採用しやすくなります。
このようにコーチングコミュニケーションを会話に交ぜることで、クライアントに寄り添える、自己効力感を高められる、やる気を高められるなどのメリットがあります。
もっとも最初に説明したように、手っ取り早い情報を求めている方にとっては、このようなステップを踏まずに直アドバイスした方が良い場面もあります。
それは、相手に合わせながらコミュニケーションを実践で取っていくことで、感覚を掴んでいくことが一番の習得方法となります。
案4)行動目標を設定する
施術が終わったら最後に、今日からどんなことを気をつけたいか行動目標を設定するのもおすすめです。
そうすることでクライアントは、その日得た情報を行動に落とし込みやすくなります。
さらに施術者に目標を宣言することで、「約束を守りたい」という本能が働き、行動変容を促進できます。
行動が変わることで成果を感じることができれば、サービスへの満足度も高まるでしょう。
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以上が、コーチングをセラピーなど他のサービスに取り入れる方法のアイディアでした。
コーチングをあなたのサービスに掛け算してあげることで、あなたの強みをさらに活かすことができるでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次の投稿も楽しみにしていてください。
デイビスみなこ
2020年Institute for Integrative Nutritionを卒業しヘルスコーチの資格取得後、100名以上の女性の心身の健康を高めるサポートをする。
昨年、ヘルスコーチング最高位資格であるNBHWC(全米ヘルス&ウェルネスコーチング協会)の資格を取得。
現在NYと北海道の二拠点を軸に、家族との時間を大切にしながらコーチとして活動中。
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